本書は、これから禁煙外来やその開設にかかわる各種職種の方（医師、看護師、薬剤師、心理職、事務職など）を主な対象としている。施設の要件、必要な物品、診療報酬の算定方法などを具体的に解説し、「ミニマム」のレベルで禁煙治療が開始できるようにした。

 

本書の構成は、第１章にて禁煙保険治療の背景について解説したのち、第２章～第６章で禁煙保険治療の要件、禁煙外来で使用する物品、開設の準備、治療スケジュール、算定方法と結果報告について示している。まずここまで目を通していただけば、各種医療機関において保険禁煙治療を遺漏なく実施することができる。

 

さらに第７章、第８章では、実際の診療手順と禁煙補助薬の基礎知識を詳説している。あわせてこの部分をお読みいただくことで、より良質な面接や薬物療法が実施できるものと思われる。

 

（「本書の使用方法」より）

 

１．禁煙保険治療制度の背景

　（１）制度の成立過程／（２）アルコール依存症治療との比較

２．禁煙保険治療の要件

　（１）施設基準／（２）対象患者

３．禁煙外来で使用する物品

　（１）禁煙治療のための標準手順書／（２）呼気一酸化炭素濃度測定器／

　（３）禁煙補助薬／（４）問診票／（５）説明用資料

４．開設の準備

　（１）治療枠の設定／（２）広報

５．治療スケジュール

　（１）ニコチン依存症管理料を算定する診療／

　（２）ニコチン依存症管理料を算定しない追加の診療／（３）入院患者の禁煙治療

６．算定方法と結果報告

　（１）算定方法／（２）予約料／（３）結果報告／（４）自由診療

７．実際の診療手順

　（１）予備面接の手順／（２）正式な1回目の診療の手順／

　（３）2回目移行の手順／（４）最終回の手順／（５）フォローアップ

８．禁煙補助薬の基礎知識

　（１）概要と効果／（２）ニコチン製剤／（３）内服禁煙補助薬／

　（４）本邦未発売の薬

文献

巻末付録

　（１）問診票／（２）説明用資料

 

監修

中山 脩郎（神奈川県内科医学名誉会長　中山医院 院長）

中 佳一（神奈川県内科医学会会長　社会医療法人団体三思会 理事長）

羽鳥 裕（神奈川県内科医学会副会長　はとりクリニック 院長）

長谷 章（神奈川県内科医学会禁煙指導マニュアル作成委員会委員長　長谷内科医院 院長）

相澤 政明（相模台病院薬剤部 部長）

小野 容明（横浜呼吸器クリニック 院長）

鎌田 正広（鎌田内科クリニック 院長）

北田 守（大倉山内科クリニック 院長）

出川 寿一（宮前平健栄クリニック 院長）

徳川 英雄（荻野クリニック 院長）

野村 良彦（野村内科クリニック 院長）

原田 久（聖マリアンナ医科大学病院神経精神科）

藤原 芳人（ふじわら小児科 理事長）

古木 隆元（武田クリニック 院長）

松田 隆秀（聖マリアンナ医科大学病院 総合診療内科 教授）

宮下 明（医療福祉生協深沢中央診療所長）

山田 峰彦（やまだ内科クリニック 院長）

山本 倫子（相模原協同病院呼吸器内科 副部長）

 

執筆

加濃 正人（新中川病院内科・禁煙外来）

 

イラスト

森川 起代巳

 

協力

上村 薫（神奈川県内科医学会事務局）

禁煙心理学研究会